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東光寺の日々

東光寺の暮らしのなかから創作される、詩歌や散文。

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土塀と磨崖仏

紅葉を見ようかと散策して行った
東明寺の土塀を眺めて
池田克巳の法隆寺土塀という詩を思い浮かべたが
池田が眺めた終戦直後の
法隆寺土塀は
これほどには朽ちていなかったのではないか
霜柱が立って
踏めば音を立てそうに見える
本堂前の湿った庭は
猪が昨夜にでも掘り返した跡なのだ
もみじの大木が
鮮やかな赤に紅葉して
本堂の周りだけだが
晩秋の色とりどりが迎えてくれる
晩秋が訪れる庭には
冬が待ち受け
春がまた巡ってくるが
我が身に訪れる晩秋は深まるだけで
来世でもなければ春がやってくることはない

さらに足を伸ばす
磨崖仏の待つ
海瀧山王龍禅寺
門前の明るい景色から見ると
山門が切り取った奥はほの暗く
杜の闇に吸い込まれるように入っていく
不揃いの石段
参道の森林は荒れた雰囲気だが
樹齢は人間の営みの域を超えて
下界など関係なく闇を構成している
磨崖仏の十一面観音は
崖から切り離されてお堂に納まったのか
本堂の建物に取り込まれて
ご本尊に祀られている
右脇には不動明王
蝋燭の炎に照らされて
優しい風貌を
こちらに向けている
おんまかきゃろにきゃそわか
真言を唱えて無心になる
仏や神におねだりなどするものではない
サンクチュアリに鎮座まします
動けない神や仏には
そこに居てくださって有り難うと
お礼を言って失礼させていただくだけだ
紅葉の動かぬ寺の土を踏む

 土塀
磨崖仏













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