東光寺の日々

東光寺の暮らしのなかから創作される、詩歌や散文。

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身体論

日が翳る
寒さに背中をかがめ
亀の甲を背負ったように
重い背中
東光寺のながい石段を
毎日上り下りする
ここに住み着いてから三十年
黒樫の幹がずいぶん太くなった
繁茂する樹木の天蓋の下で
サフランの
十字架のような白い花が
仄かに薫っている
今朝は左足に痛みがあって
今までは自覚しなかった
崩れそうな何かの予感がしている
よく爪が伸びる
手首足首に
アーユルヴェーダのオイルを擦り込む
数分経てば
骨髄まで到達するという
胡麻油がなじむまで
手足を撫でながら思索する
虚無のゼロから
如何に人間が生きるかを書き記した
インド思想の面目躍如ぶりを
西洋哲学の蓋になってる
一神教の謎と比較して
講演したりしながら
点滴は人類の天敵だと主張する
点滴天敵論者のぼくは
世界が如何にあろうとも
今日一日の行住坐臥があるのみなどと
身体が会得した過ごし方に
日が暮れていく


*** この詩は詩人会議2017.6月号に掲載したものです ***


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