東光寺の日々

東光寺の暮らしのなかから創作される、詩歌や散文。

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遠吠え

はるか昔に
日本から消えた
狼の遠吠えのような声が
闇のなかから立ち上がってくる

暗がりに置かれて
歩んでいる人たちの
俯いた顔に
更なる闇が覆い被さってくる

二十一世紀初葉
海と地の揺らぎで壊れて生まれた
故郷を覆う見えないもの
列島を覆って減ることのない
見えないものが
じわっと我らの体内を蝕む
時の流れで変容してゆくもの
ゆがみを作り続けるもの
再稼働はんたいなどと叫んでも
繰り返される愚行

血が騒ぐこともなくなったかのように
むしり取られ
むき出しになった表土に
不信を抱きながら
また暮らし始める人たち

放たれた牛が野生化し
猪がコンクリートの街路を歩き
荒れ野になった田圃に
奇形になった昆虫や蛙が跋扈する
あの地に
人が心が戻っていくことはない

木々は繁茂し
草は背丈を超え
電柱が
車が
原野に呑み込まれていくあの地に
心が住むことはもうない

辺野古が
オリンピックが
豊洲が
森友学園が
総理夫人が
なんどということがあったっけ

絶滅した
日本人のいた列島に
狼の遠吠えのような声が木霊している
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