東光寺の日々

東光寺の暮らしのなかから創作される、詩歌や散文。

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東光寺山

近所のお年寄りが
とんこじやま という
東光寺に
今朝は所々雪が残ってる

仄白い空気に惹かれて
戸外へ出てみると
視野を遮る樹木の向こうに
街の屋根が
白く光り
街は呼吸を止めている
 
大阪へ移住してきた冬に
かじかんだ
冷え切った手を
擦りあわせながら
かなり降り積もった雪を踏み
大阪府南河内郡狭山村西池尻から
狭山池の
村役場の建つ土手を歩いて
小学校へ通った朝を思いだす

七十年経っても
鮮明に記憶に残る
雪景色
その背景にひろがる焼土の街
空襲の火炎を逃げ惑った
恐怖の時間も蘇る

あの朝の
この世に不信を抱きはじめた
燃える景色を思い出す
私もまた炎を見ながら
沈黙して応えない神に
両手を合わせて祈った人間のひとりだ

読経する自分と
不可解な世界に
憤って止まない自分との
埋められない懸隔

雪は間もなく消えてゆく


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