東光寺の日々

東光寺の暮らしのなかから創作される、詩歌や散文。

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切れる

過ぎ越し刻を追想する
逆走する思念
近づいてくるその刻の予感
じわっと湿気のように浮遊し
枯れ始めた躯の皮膚を
なにかが這い
汗ばむ

業火はあれだったろうか
ボンバー29の
銀翼に紅蓮を映しながら低空飛行
恣意のままに投下するのか
炸裂と拡散
天を覆う火炎
悲鳴と駈ける足音
少年は逃げる
燃えさかる故郷の山を背に

祖母がつぶやく
お前が一人前になる頃に
あきまさは
帰ってくるだろう
タラカン島で戦死した息子
祖母に刻まれた皺に
苦渋の波紋

顔よりもおおきな
一輪のあじさいを抱えて
姉が笑ってカメラに向かっている
セピア色の昭和の一枚
大きな握り飯を
鷲掴みした幼児が俺だ
姉に抱かれ
蕩けそうな懈さで目をとじながら
姉を犯している幼い俺

生きることの困難が
冷え切った指先に
痛みになって残ってる
もう見ることもあるまいと
瞼のうらから薄暗い世界を凝視め
この世と縁が切れるまで
あと1時間だな
瞳孔が開きはじめる

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