東光寺の日々

東光寺の暮らしのなかから創作される、詩歌や散文。

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捏ねる

ゆっこ先生が怪我入院でいないので
今回の合宿はなにかと大わらわだ
今夜の夕食にと
ぼくは五キロほどの
パン生地を捏ねる
昨夜仕込んだ
リンゴナガイモニンジンゴハンのパン種は
快適な醗酵ぶりで
アルコールの匂いがたち
ぶくぶくと気泡を吹き出している
楽健法の交代時に
小麦粉を四キロ
山勘の塩と砂糖と胡麻油をいれ
パン種と水も山勘で加え
四十五センチの大鍋で
混ぜ合わせて捏ねていく
どさっとテーブルに取り出して
両手で持ち上げて叩きつける
三つに分割
三人で空中回転させながら
ドウが出来上がっていく
大きなボールにドウをいれ
黒いビニール袋にいれて
裏庭に日向ぼっこさせてやる
楽健法を終えて
ドウを取り出し
百五十グラムほどに分割し
丸めて麺棒で伸ばして
ホットプレートとフライパンで焼き始めた
二十数枚のナン
残りにドウを
五十グラムほどに分割し
三十数個の
パッコーラと呼んでいる揚げパンにした
胡麻油に浮かんだドウは
ぷくんと膨れ
鍋のなかでせめぎ合って
狐色に仕上がっていく
別の大鍋では
ざくざくと大まかに切られた野菜たちが
煮たって踊り
野菜カレーが仕上がった
五観の偈をお唱えして
夕食となった
食べ終わったころ
入院中のゆっこ先生から電話がかかり
合宿の状況を話すと
ふふふと笑って
感想は聞けなかった



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