東光寺の日々

東光寺の暮らしのなかから創作される、詩歌や散文。

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二上山

夢のなかで
繰り返し訪れる場所があるのだが
一度も行ったことがないのは確かな場所だ

どこかの家屋の前にぼくはいる
冬なのだろう
小さな日だまりに
蹲って
地面に棒きれで線を描いている
知らないこどもがいて
やがてぼくを見上げて
これでいいだろうかという
ぼくが頷くと
絵を残してこどもは走り去り
ぼくはその絵を眺めている
一本の線がどこにも交わらず
迷路のように描かれていて
その線を目で追っているうちに
いつしかぼくは
その迷路に入り込んで彷徨っている

ここはどこだろう
出口はどちらだろう
永遠に出られないのではないだろうか
あせりながら
迷路を遮二無二駈けていると
手足がスローモーションになって
ふわっとからだが宙に浮かんで
すとんと落ちる

あっ夢だったんだ
とあたりを眺めてみると
そこは山道で
風が木の葉を鳴らす葉擦れが聞こえ
足元に陽が差してくる
夕陽がまもなく落ちるのだ
ぼくは茜の大きな太陽を凝視める
太陽はぐるぐると光を右回りに渦巻きながら
二上山の窪みに沈んでいく
暗闇が山に覆い始めたところで
夢から覚める

あそこはどこなんだろう
迷路が待っている
夢なじみの
見知らぬ場所は

一昨日叡福寺へ久しぶりに行った
西方院の坂道の上に立って
目線で坂を下り切って
そこからは登りになる
叡福寺の石段を眺めていると
不意にそんな夢のことを思い出した

東光寺山から
眺めている夢のなかの夕陽は
ちょうどこのあたりへ
落ちてくるのだろう



東光寺山の路
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