東光寺の日々

東光寺の暮らしのなかから創作される、詩歌や散文。

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蛙が帰る

おがたまの花が開いたが
今年は数が少ない

覆い被さるように枝を広げた
樫の木のドームの下では
日差しを求めて背丈を伸ばそうと
紅葉もおがたまも枝を広げるが
木漏れ日の恩恵にしかあずかれない庫裡の庭だ

四半世紀前に
この庭の整備をしたのだが
風や小鳥が運んできた種から自生した
名前を知らないままの樹木も
このドームの下で
勢いを競っている

白雲木が
今年はじめて花をひらいたのに気がついた
大きな葉っぱのくせに
花はこんなに小さいのかと
感心して見上げたが
スズランのように
下に向いて並んだ花が二列咲いただけだ

水の減った火鉢池には
白めだかが3尾泳ぎ
隣の臼池も水が減っていたので
バケツに水を汲んできて
勢いよく継ぎ足してやったら
去年の蛙が
あわてて飛び出してきた

三ヶ月前から
ぼくが鷹の爪にかぶれて
全身にひろがった搔痒症が
数日前からやっと回復の兆しが見えてきた

家内が病んだり
ぼくがかゆくなったり
自棄の気分になりがちなのだが
こうして庭にでて
鬱蒼の木陰に立つと
蛙やめだかや
地面の下のマニスとも
こころが通っているように思えて
ここを通り過ぎていった時が
やさしく慰撫してくれる

目を閉じ
光明真言の呪を唱えながら緑陰で呼吸法をする
ぼくはやがて消えてしまい
一匹の虫のように
そこにいる




hakuunnboku
白雲木のはなひらく。この木は沙羅の木だといって友人がくれたものだが、大きくなると白雲木という木であることが判明した。


座敷にやってきた不思議な蛙
蛙が臼池にいたが、この蛙より小さかった。この蛙は座敷にひょこっと現れたので、びっくりして合宿の前泊に来ていた琴美ちゃんに応援をもとめて捕まえてもらったときの写真です。
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| 東光寺山博物誌 | 06:48 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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